国民スポーツ大会、通称「国スポ」は毎年開催されるスポーツの祭典です。アスリート個人が勝敗を競う一般的なスポーツ大会とは異なり、都道府県対抗で順位を争います。

国内最大級の規模を誇る国スポは、競技に参加するアスリートだけでなく、観戦する人々も楽しめるイベントです。開催地ごとに工夫を凝らした大会運営が行われるため、スポーツ観戦とともに各地の文化を体験できることも魅力の一つです。

本記事では、国スポとは何かを解説したうえで、その歴史や今後の開催地を紹介します。さらに、国スポをより楽しむポイントもお伝えしますので、国内最大のスポーツ大会を存分に満喫しましょう。

国スポとは?

国スポとは、国民スポーツ大会の略称です。毎年、都道府県が持ち回りで開催する国内最大のスポーツの祭典で、現在は文部科学省、日本スポーツ協会、開催都道府県が共催しています。

2024年以前は「国民体育大会」の名称で開催されていたため、「国体」と言うほうがしっくりくる方も多いかもしれません。名称変更となったのは、2023年1月に「スポーツ基本法の一部を改正する法律」が施行されたためです。

「体育」は、心身の成長を目的とした教育的要素が強く、運動そのものを楽しむ「スポーツ」とは区別されます。日本では長く体育文化が根付いてきましたが、時代の流れとともに、心身の健康に加え、運動そのものを楽しむことを目的とする意図から名称が変更されました。

国スポは都道府県対抗方式で実施され、競技得点と参加得点の合計を総合成績として順位が付けられます。男女総合成績第1位は天皇杯、女子総合成績第1位は皇后杯が授与されます。

国スポと同時に耳にする機会の多い全国障害者スポーツ大会(全スポ)は、国スポの本大会後に開催される障害者スポーツの祭典です。全スポの正式競技には個人競技と団体競技があり、団体競技は都道府県あるいは指定都市対抗で行われます。

国スポの歴史

国スポの前身である「国体」は、第二次世界大戦後の混乱期に、日本国民に希望と勇気を与えることを目的として、1946年から開催されるようになりました。

第1回大会は終戦直後だったため、戦災を逃れた京都府を中心とした京阪神地域で開催されています。地域スポーツの振興と地域文化の発展のため、第3回大会からは都道府県対抗となり、以降の開催地は輪番制となっています。1987年第42回大会の開催地、沖縄県で1巡目が終了し、翌年から2巡目に入りました。

当初、主催は公益財団法人日本スポーツ協会(JSPO)でしたが、第5回大会から文部科学省、第10回大会から開催都道府県が主催者に加わり、現在は三者共催となっています。また、各競技会はJSPO加盟競技団体と会場地の市町村を加えた五者の共催です。

国体から国スポへと名称変更したのは、2024年に開催された第78回大会からです。前年2023年の「スポーツ基本法の一部を改正する法律」の施行を受け、「国民体育大会」から「国民スポーツ大会(英語表記:JAPAN GAMES)」へと名称が変わりました。

国スポでは、正式競技のほか、特別競技や公開競技などが実施されます。2025年の開催実績では、正式競技は本大会37競技、冬季大会3競技です。

国スポの過去の主な開催地

国スポの本大会は、全国47都道府県すべてで開催された実績があります。

通常、本大会は1つの都道府県で開催されますが、1946年の第1回大会は近畿地区、1953年の第8回大会は四国4県で行われるなど、例外的に複数の都道府県が開催地となるケースもありました。

直近の開催地は、以下の表のとおりです。

開催年本大会の開催地
2024年(令和6年)佐賀県
2023年(令和5年)鹿児島県
2022年(令和4年)栃木県
2019年(令和3年)茨城県
2018年(令和2年)福井県

都道府県の輪番制で実施される国スポは、現在2順目に入っており、ほとんどの都道府県が開催地を2回以上経験しています。

国スポの今後の予定

国スポの本大会は、47都道府県を以下の東地区・中地区・西地区に分けて、輪番で開催されます。ただし、冬季大会は地域区分や輪番制ではありません。

地区ブロック
北海道、東北、関東
北信越、東海、近畿
西中国、四国、九州

開催地は開催年の5年以内に内定、3年以内に決定されることになっています。ここでは、国スポを冬季大会と本大会に分け、決定されている開催地と会期を紹介します。

冬季大会

冬季大会の正式競技は、スケート、アイスホッケー、スキーの3競技です。本大会は基本的に1つの都道府県で開催されますが、冬季大会では開催年によって、競技ごとに異なる都道府県で開催されることもあります。 2028年までの開催地をスケート・アイスホッケーとスキーに分けて、以下の表にまとめました。

【スケート・アイスホッケー】

開催年開催地会期
2026年(令和8年)青森県1月31日〜2月8日
2027年(令和9年)山梨県※未定
2028年(令和10年)長野県未定

※アイスホッケー、スピードスケートの開催地は未定です。

【スキー】

開催年開催地会期
2026年(令和8年)青森県2月14日〜2月17日
2027年(令和9年)岩手県未定
2028年(令和10年)長野県未定

2026年の青森県、2028年の長野県は全競技が同じ都道府県で開催されますが、2027年は競技や種目によって開催地が異なることに注意が必要です。

本大会

画像引用:「公益財団法人 島根県スポーツ協会

本大会では、基本的にすべての競技が同じ都道府県で行われます。2035年までの開催地は、次の表のとおりです。

開催年開催地会期
2025年(令和7年)滋賀県9月28日〜10月8日
2026年(令和8年)青森県10月10日〜10月20日
2027年(令和9年)宮城県9月26日〜10月6日
2028年(令和10年)長野県未定
2029年(令和11年)群馬県未定
2030年(令和12年)島根県未定
2031年(令和13年)奈良県未定
2032年(令和14年)山梨県未定
2033年(令和15年)島根県未定
2034年(令和16年)沖縄県未定
2035年(令和17年)三重県未定

2028年以降の会期は、2025年3月時点では未定です。

国スポの楽しむためのポイント

国スポは、都道府県を挙げて開催される大規模なイベントであるため、「どこに注目すればよいかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか。

また、国スポは都道府県が持ち回りで開催しているため、一度見逃すと、同じ都道府県で次に開催されるのは最長で47年後になる可能性もあります。そのため、事前に楽しみ方のポイントを押さえておくことが大切です。

国スポを楽しむためのポイントは、主に次の3つです。

  • 気になる実施競技を調べておく
  • 開催スケジュールを確認しておく
  • 運営ボランティアに応募してみる

ここでは、これらのポイントを詳しく解説します。事前にしっかり準備することで、国スポをより楽しめるでしょう。

気になる実施競技を調べておく

国内最大のスポーツ大会である国スポでは、2025年実績で正式競技だけでも37競技が実施されます。普段から興味を持って観戦している競技はもちろん、あまり馴染みのない普競技を知る機会にもなります。新たな魅力を発見し、興味の幅を広げるきっかけになるかもしれません。

しかし、競技数が多く、どの競技を観戦すればよいか迷う方も多いのではないでしょうか。 各競技は開催地となる都道府県全域で行われるため、お住まいの近くで開催される競技を調べてみるのも面白いかもしれません。

普段は観戦する機会が少ない競技を間近で観戦できるチャンスでもあるため、事前に情報をチェックして、気になる競技を見つけておきましょう。

開催スケジュールを確認しておく

国スポは複数の競技がさまざまな会場で同時に開催されるため、事前にスケジュールを確認しておくことが重要です。 観戦したい競技の日程や会場の場所を把握しておくことで、効率的に競技場を回れるため、より充実した時間を過ごせます。

特に人気の競技や決勝戦は混雑が予想されるため、早めに計画を立てると安心です。 さらに、開会式や閉会式、その他の関連イベントなども国スポの魅力の一つ。

開催地ならではの演出が楽しめるため、競技観戦と合わせてスケジュールに組み込むのもおすすめです。

運営ボランティアに応募してみる

競技の観戦だけでなく、運営ボランティアとして参加するのも国スポの楽しみ方の一つです。 国スポでは、大会の円滑な運営を支える運営ボランティアを募集しています。

運営ボランティアの主な活動内容は、大会の環境美化、会場整理、案内・受付、会場サービス、式典運営補助、医療救護など多岐にわたります。大会の裏側を支えることで、選手や観客とは異なる視点から国スポを体験できるのが魅力です。

運営ボランティアの応募には年齢制限があり、多くの都道府県ではおおむね12歳以上から申し込めます。ただし、18歳未満の場合は保護者の同意が必要となることがあるため、詳細は開催地の公式サイトで確認しましょう。

まとめ

国スポは、公益財団法人日本スポーツ協会、文部科学省、開催地都道府県の三者が共催する、国内最大級のスポーツの祭典です。1946年の第1回大会から毎年開催されており、時代の変化に合わせながら、スポーツの魅力をより広く伝える大会へと進化してきました。

開催地となる都道府県は輪番制で決まり、各大会ではその地域ならではの特色を活かした演出が施されます。そのため、競技観戦だけでなく、開催地の観光も楽しめることが魅力です。

国スポをより満喫するには、事前の準備が大切です。気になる競技や開催スケジュールを確認しておけば、効率的に会場を回れるため、充実した時間を過ごせるでしょう。

また、運営ボランティアとして参加することで、観客とは異なる視点で大会の魅力を体験できます。

競技観戦だけでなく、さまざまな楽しみ方ができる国スポ。近くの開催地はもちろん、観光を兼ねて訪れてみるのもおすすめです。

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